マーケティングと釣りの話

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ある人がとても美味しい茄子を作ったとします。
大きさも程よく、漫画のようにツルツルしていて煮てよし、焼いてよし。
一度この茄子を食べてしまうとそこらのスーパーマーケットで売られているお茄子などばかばかしくって二度と食べられなくなってしまうという上出来のお茄子だとします。

茄子を作ったある人は、「よしよし。よくできた。さあ、このお茄子をインターネットで宣伝して売りまくろう。」と思いました。
それでお茄子を紹介するページを作りました。

そうして三ヶ月ほどお茄子を育てては、ホームページからの注文のお電話を待ち構えていたとします。さて、このお茄子は売れたでしょうか。というのが今回の問題です。
いえ、売れるか売れないかはやってみなければわからないのですが、仮に三ヶ月間、さっぱり全然売れなかったとして、そのことに対して僕はちゃんと手応えのある改善策をご提案することができるだろうかということをこの架空の茄子屋さんを例にとって考えてみたわけです。

すべて架空のお話のためということもあるのですが、ホームページ作りをなりわいとしている身として一所懸命考えては見たのですが、実にこの問題の答えはぼんやりとしていました。
問題点が漠然としすぎて手のつけようがないという感じです。
それはもちろん、想像上の話で情報が少なすぎるから問題点がよくわからん。と言うこともあると思います。

ではたとえば、この人がこの上出来のお茄子を村の大通りの道端で売ったという話だとしたらどうでしょうか。
道端に簡単な小屋のようなものを作って、カゴに茄子を入れて隣にお金を入れるための箱を置いて置いたという話だったらどうでしょうか。
売れたかもしれません。売れなかったかもしれません。

でも、結果に対して先ほどと比べて随分とリアリティのある改善策をご提案できるような気がします。
値段が高すぎたのではないか。とか。お金入れる箱がわかりにくかったのではないかとかそういうことを、はっきりとした質感をイメージしながら話すことができるように思います。
ホームページには、(ホームページ制作会社としては実に頼りないことではあるのですが)その感触を持つことがなかなか難しいように思います。

デザインを洗練させればいいのではないか。ボタンをもっとわかりやすくすればいいのではないか。文字を大きくすればいいのではないか。
いろんな人がいろんなことを言いますが、本当に手応えを持ってそれを言っている人がどれだけいるのか疑問を感じることがあります。

ホームページでの集客というのは、闇の中で釣りをしているようなところがあります。
水面も、もちろん水の中も、どのような状況になっているのか想像するしかありません。
魚がうじゃうじゃいて水族館のイワシの水槽みたいに鱗が渦を巻いているかもしれませんし、火星の砂漠みたいに人っ子一人いないのかもしれません。

実に不思議な闇夜の釣り大会です。
そこをわずかながら照らしてくれる明かりが、アナリティクスのような解析ツールであり、道しるべとなるのが確率論的マーケティング思考というようなものではないかなと思いました。
つまり、巨大なマスを対象とする場合、誰もみな手応えはないというところから始めないといけないのではないかと思ったわけです。

大変頼りない話です。